アッコにおまかせ!終了の噂と初音ミクの成長――時代とともに変わるエンタメの勢力図

初音ミクのデジタルライブとアッコにおまかせのレトロなテレビスタジオの対比 エンタメ

「トドがトドメ」「因果応報」和田アキ子『アッコにおまかせ!』終了報道に納得の声続出…BPOから人権侵害を指摘された過去も

9月9日、歌手でタレントの和田アキ子が司会を務める日曜昼の長寿番組『アッコにおまかせ!』(TBS系)が来春で終了予定と『女性自身』が報じた。 「かつては“ゴッド姉ちゃん”“芸能界のご意見番”と言われた和田さんでしたが、近年は失言ばかりが目立つように……。

直近では8月11日、パリ五輪やり投げ金メダリスト、北口榛花選手を特集した際、休憩中にうつ伏せでカステラを食べる北口選手を『トドみたいなのが横たわっているみたい。かわいい』と発言して問題視されました。翌週、和田さんは『リスペクトが足らなかったと思っております』と謝罪しました。2025年で放送から40年ですが、コンプライアンスが厳しくなった現在、和田さんの“歯に衣着せぬ”物言いは、視聴者に受け入れられなくなったのかもしれません」(スポーツ紙芸能担当記者)

引用:Yahoo!

アッコにおまかせ!」と初音ミクは、それぞれ異なる時代のエンタメ業界を象徴する存在です。しかし、2020年代に入り、これら二つの存在は全く対照的な軌跡をたどっています。

2007年には、初音ミクが「アッコにおまかせ!」内でバカにされたとして炎上し、旧メディアと新しいネットカルチャーの間の溝が露呈しました。その一方で、初音ミクはその後、ネット発の現象として急成長を遂げ、グローバルに活躍するバーチャルシンガーとなりました。本記事では、この二者の成長と衰退を比較しながら、エンタメ業界の変遷を追います。


アッコにおまかせ!:長寿番組の栄光と衰退

2007年「初音ミク事件」

2007年10月、初音ミクが登場して間もない時期、「アッコにおまかせ!」の特集で取り上げられました。この特集では、クリエイターの制作過程や初音ミクの技術的な背景が紹介される予定でしたが、実際には「オタク部屋」として揶揄するような編集が施され、ファンのライフスタイルが軽視される形になりました。この内容に対してネット上で大炎上が発生し、「初音ミク事件」として知られるようになりました。

当時、オタク文化に対するメディアの理解が不足しており、特にテレビ業界では、初音ミクのような新しいカルチャーを正当に評価する姿勢が不足していました。この事件は、従来のメディアとインターネット発の新しい文化との衝突を象徴するものとなり、「アッコにおまかせ!」の視聴者層からも批判の声が上がりました。

栄光の時代

「アッコにおまかせ!」は1985年に放送を開始し、和田アキ子の強烈なキャラクターと斬新なコメントで一世を風靡しました。特に1980年代〜90年代には、テレビが家族の娯楽の中心となっていた時代背景もあり、番組は高視聴率を維持していました。和田アキ子の鋭いコメントは時に物議を醸しましたが、それも番組の魅力の一つとされていました。

衰退の兆候と「トド発言」

しかし、2000年代以降、インターネットの普及やSNSの台頭により、テレビ離れが進行。視聴率は一桁台にまで低下し、番組の影響力は次第に弱まっていきました。加えて、和田アキ子の発言がコンプライアンスの厳しい現代社会にそぐわないことが度々問題視されるようになり、視聴者からの批判が増加。

その決定打となったのが2024年8月、和田アキ子が北口榛花選手に対して「トドみたい」と発言したことです。この発言が外見を揶揄したものとして批判され、番組終了の引き金になったと報じられています。


初音ミク:バーチャルシンガーの進化とグローバル展開

初音ミクの誕生と2007年の波乱

2007年に発売された初音ミクは、音声合成技術を用いたバーチャルシンガーとして登場しました。ユーザーが自由に歌詞とメロディーを入力して楽曲を作成できるというその革新性は、瞬く間に多くのクリエイターに支持され、音楽シーンに革命をもたらしました。

しかし、同年に起きた「アッコにおまかせ!」での揶揄がインターネット上で炎上する形となり、初音ミクは一躍注目を浴びる存在となりました。この事件をきっかけに、ミクの擁護派がネットで声を上げ、結果的に彼女の知名度が急上昇するという意外な展開を迎えました。

世界ツアーと国際的成功

初音ミクは、その後も驚異的な成長を続け、2024年には北米16都市を巡る「MIKU EXPO 2024 North America」が開催される予定です。3DCGライブを用いたこのイベントは、バーチャルシンガーとしてのミクの新しい形を示すもので、すでに世界30都市以上で公演が行われ、国際的なファンベースを築いています。

また、日本国内外でのコラボレーションも盛んに行われ、伝統芸能やアート、アニメ、ゲームとの融合を図り、新たなカルチャーを創り続けています。特に日本の伝統文化を広める活動では、「150年後の国宝展」でのコラボなど、文化的な評価も高まっています。


まとめ:エンタメの進化とメディアの変遷

2007年の「初音ミク事件」は、旧メディアと新しいネットカルチャーの衝突を象徴する出来事でした。一方で、初音ミクはネットの支持を受けて成長を続け、国際的な成功を収めています。これに対し、アッコにおまかせ!は旧メディアとしての役割を終え、ついに2025年春に幕を下ろします。

エンタメ業界は、アナログからデジタルへ一方向の放送から双方向の創作へという大きな変化を遂げました。この転換は、クリエイターと視聴者が共に楽しむ時代の到来を告げるものです。

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